LARS RECORDS

腰を据えて音楽を

best disk of the year 2017

どうも。

2017年の10枚を選びました。

有名誌なんかのベストはだいたい50枚ですけど、そんなに提示されても聴く気起きないと思うんで、自分自身が今後も長く聴き続けるであろう最良なものだけにしました。

今年はいままでに比べて、かなり雑多な聴き方をした1年だったかなと。それでもやはり偏りがある。

独断と偏見と偏聴による10枚ですが、間違いはないので是非フィジカルで手に入れて欲しいですね。

 

LOSTAGE / In Dreams

f:id:saku_dot:20171228115057j:plain

ダントツで今年一番聴いたLOSTAGEの通算7枚目のフルアルバム。

流通に乗せない挑戦的な販売手法の話が先行してたけど、とにかく内容が素晴らしい。LOSTAGEは轟音ロックバンドっていうイメージが強いんですけど、今作は全体的に優しくて柔らかいです。もちろんLOSTAGE節炸裂な曲もあり、あっという間に聴き終わってしまう充実ぶり。聴く人に開かれている2017年必聴盤。

買える場所は、LOSTAGEライブ会場、奈良にあるTHROAT RECORDS実店舗とオンラインストアのみ。

throatrecords.ocnk.net


LOSTAGE / ポケットの中で (Unofficial Video)

 

Sampha / Process

f:id:saku_dot:20171228115104j:plain

これがデビュー作ということに相当に驚いた記憶がある。

R&Bは全くと言っていいほど聴かないが、サンファにはR&Bに括り付けられない器の深さがあると思う。このジャンルの知識が乏しい俺でも、「これ新しいな」と感じざるを得なかったんで。今年のフジロックの映像でクラブミュージックっぽいサウンドが鳴っていたのも、音源では知り得ない彼の一面なのかも。

 


Sampha - (No One Knows Me) Like The Piano (Official Music Video)

Apple Music:https://itunes.apple.com/jp/album/process/1138217713

 

JJJ / HIKARI

f:id:saku_dot:20171228115102j:plain

俺にとって2017年はHIP-HOP元年でもあった。

昨年暮れに聴いたSTUTSのソロアルバムがきっかけでこのジャンルにようやく手を出せたわけ。聴いている範囲はまだまだ狭いけど、このアルバムの衝撃は凄かった。特に1曲目の『BABE feat. 鋼田テフロン』を聴いた時の脳天をガツンと殴られたようなあの感覚が忘れられない。トラックのクールさはもちろん、JJJの良さはリリックの「間」にあるんじゃないかと思っている。来年の活躍も楽しみだ。

Apple Music:https://itunes.apple.com/jp/album/hikari/1200444348

 

Hajk / Hajk

f:id:saku_dot:20171228115109j:plain

大阪の名店「FLAKE RECORDS」がCDの国内流通を請け負っているノルウェーのインディーロックバンド・Hajkのデビュー盤。一聴すれば店長のダワさんが推す理由がよく分かる。Phoenixあたりのルーツを感じさせる絶妙なポップス加減が堪らない。個人的に、今年リリースした『Willowbank』が相当に良かったYumi Zoumaとデッドヒートしてました。兎にも角にも北欧シーンの底力は凄いです。2018年に来日公演も決まっているみたいなので是非に。俺も観に行きます。

 


Hajk - Magazine (Official Video)

Apple Music:https://itunes.apple.com/jp/album/hajk/1193300402

 

Climb The Mind / チャンネル3

f:id:saku_dot:20171228115108j:plain

このバンドを知ったキッカケは名古屋のレコードショップ・Stiff Slackから前作『ほぞ』がアナログで再発されるというツイートだった。Stiff Slackは、エモ・ポストロック・ハードコア・ポストハードコアを中心に取り揃えたかなり独特な新品専門店。これまた去年の暮れに知った伝説のエモバンド・American Footballから繋がったわけなんだが、あまりにもセンスが良くて今となっては新川店長を信頼しきっている。

そんなStiff Slackレーベルからリリースされた今作は、歌を前面に押し出してきた6年前の前作『ほぞ』を更に深化させたような内容でありつつも、ドライブサウンドを耳にする回数が増えたことで過去作の懐かしさも感じさせる。もちろんクライム節は健在で、ギターリフのようなベースフレーズ、琴線に触れるギターのアルペジオ、Vo.山内さんの不器用ながらも身体の底から絞り出しているような歌、ジャパニーズエモの真髄を見せつけられる。これからクライムを聴く人には、『ほぞ』そして『チャンネル3』を併せて聴いてもらいたい。

www.stiffslack.shop

 

Julien Baker / Turn Out the Lights 

f:id:saku_dot:20171228115113j:plain

これまたStiff Slackがキッカケで知ったアメリカはテネシー出身の21歳。今年に入ってから聴いた1stの『Sprained Ankle』も相当に聴き込んだのだけれど、負けず劣らず抜群に良かったのが10月にリリースされたこの2nd。何故か女性Voに縁遠く、SSWも殆ど通らずここまで来たのだけれど、その道を開いてくれたのが彼女なんですね。「ギターと歌だけ」という潔いほどのシンプルさ、21歳とは思えない楽曲の奥深さ、そして最早叫びのような歌声にやられてしまった。10枚の中で最もアナログで聴いて欲しい一枚。こちらも年明け早々に来日公演が。もちろんチケット取ってあります。まじでオススメ。

 

Apple Music:https://itunes.apple.com/jp/album/turn-out-the-lights/1265246504

 

Mutemath / Play Dead

f:id:saku_dot:20171228115803j:plain

 アメリカはニューオリンズ出身・Mutemathの5枚目のフルアルバム。

このバンドは過去作を全て聴いてきたのだけれど、これは間違いなく最高傑作。これまでは全体的にカラッとしたロックバンドという印象だったが、ここにきて良い意味で化けたなと。スタジアムとまでは行かずとも、野外フェスなんかでこの音を浴びたらブチ上がりそう。親日バンドらしいから是非来日して欲しい。

 


MUTEMATH - Hit Parade (Official Audio)

Apple Music:https://itunes.apple.com/jp/album/play-dead/1257022921

 

FKL / French Kiwi Juice

f:id:saku_dot:20171228115012j:plain

これまた今作がデビュー盤なFKJの一枚。

フレンチエレクトロ、フレンチポップっていうものらしいんだが、小難しい話は抜きにして最高な盤。一聴して今年のベストに決まった記憶がある。甘美なエレクトロサウンドに心地よいグルーヴ、ベッドルームミュージックでありつつも、なんというか休日の午前中にも聴いていたいそんな音楽。Youtubeに上がっている、一人で様々な楽器を演奏して楽曲制作をしている彼の動画があるのだけれど、凄まじいセンスに圧倒される。

 


FKJ - We Ain't Feeling Time


FKJ - Tokyo (Red Bull Studios Impro)

Apple Music:https://itunes.apple.com/jp/album/french-kiwi-juice/1199108601

 

Able Baker Fox / Visions

f:id:saku_dot:20171229222910p:plain

アメリカ・ミシガン州のインディーロックバンド。

インディーロックと一言で言ってもあまりにも幅が広いが、このAble Baker Foxはポストハードコアの系譜を継ぐ硬質なインディーロックバンドの類。全編を通して感じられる疾走感とマイナー雰囲気な曲調のバランス加減、純粋にかっこいいと思えるフレーズが随所に見られるし、ギターの歪み加減もドンピシャ。いいバンドに出会えて良かった。このアルバムを今年のベストに入れている人は他にいるんだろうかと思うくらい、情報が少ないのもまた一興。

 


ABLE BAKER FOX - Purple Mountains

Apple Music:https://itunes.apple.com/jp/album/visions/1256270783

 

King Krule / The OOZ

f:id:saku_dot:20171230174542j:plain

イギリスのSSW・アーチーマーシャルのKing Krule名義での2ndアルバム。

何度も何度も聴いて、その度に良くなり新しい発見があったし、23歳とは思えない渋めなボーカルと独特な歌唱法がどんどん癖になっていった。イギリス本国でめちゃめちゃ評価されていることなんて全く知らなかった。恥ずかしい。俺の耳ではディティールまで分からずとも、色々な音楽をグシャっとまとめて見事なまでに昇華させたということはよく分かる。たぶんロック、ジャズ、ダブステップとかそんなん。才能という才能を全身で浴びせられて圧倒されるんだけど、不思議な心地良さが余韻として残る。ブルージーな一枚。

 

Apple Music:https://itunes.apple.com/jp/album/the-ooz/1273304020

 

10枚まで絞るのにかなり悩んだ。

Jay Som、Shortstraw、BullyAiming for Enrike、Waxahatchee、Phoebe Bridgers、Prawn8otto、Royal Blood、Day Wave、Formation、ギャラガー兄弟、土岐麻子、パッと思い付くだけでこんなに。実際にはまだまだ良かったのがたくさんあった。

今年は聴くだけじゃなく海外の音楽に現地で触れられた貴重な体験もできた。タイでは、現地で音楽活動する日本人の方やレコ屋の店長と話をしたり、実際にライブを見たり。つい先日も台湾のレコ屋を回ったりしたけど、来年も色々な国に行って見るつもり。

兎にも角にも1年を通して素晴らしい音楽にたくさん出会えた良い2017年だった。

2018年もフットワークを軽くしてどんどん攻め続ける。

今年1年お世話になった皆さま、本当にありがとうございました、来年も引き続きよろしくお願い致します!